楽曲紹介(Kon-Chan解説)


EC-2606

EC-2606 Blue 青

■J.F.セバスチャン
1980年代中頃、「ELLIS」の前身バンド「LUKA」が始まる以前に、フィリップ・K・ディック原作の映画「ブレードランナー」や、ピーター・ゲイブリエルに傾倒していた近藤が、影があり混沌としていても美しいその世界観に触発されて作った数少ない作詞・作曲の楽曲のひとつ。「J.F.セバスチャン」は「ブレードランナー」に登場するレプリカントを製造していたタイレル社の技師の名前で、ロボット、アンドロイド、レプリカントといったSFの未来派世界観が主軸になっている。今回の楽曲のアレンジは1987年当時とほとんど変わっておらず、当時DATでバックアップしていたサンプラーの音源を35年後の2025年に拾い集め、基本アレンジを復元復活させて、さらに8弦バリトンアコースティックギターを中心にリアレンジして今回の形になったのです。

■風の伝道師
この曲は1980年代後半の「LUKA」結成当時の楽曲で、リハーサル中になんとなく出来上がっていった初期の曲です。当時「ふぅーふぅー」と呼ばれていた、ふわふわと漂うようなElliのスキャットが素晴らしかったので曲の中にコーラスセクションとして埋め込んだのでした。この頃より、Elliが作詞を担当し、近藤がサウンドを作るといったフォーマットが出来上がっていきました。ふたりともに、映像が見える音=絵や風景のようにイマジナブルな曲を作ろうという意見が合致し、「見える音楽」を目指して進んでいったのでした。

■BOAT PEOPLE
1980年代後半当時は日本への難民は珍しく、そんなニュースが出始めた頃でした。そんな時代の波にElliが、難民の魂に共感して描いた楽曲です。時代はシンプルなテクノポップから、マシンによる16-32分音符の精密な打ち込みアレンジの作曲方法へ変化していった頃で、そんなサウンドに近藤が影響を受けて作った曲のひとつです。

■摩天楼のターザン
1989年のカセットテープのデモテープづくりで作った曲のひとつ。とにかく近藤がリズムグルーヴとコード進行でオケをどんどん作り、曲の土台を仕上げてElliに投げ、Elliが歌詞をつけながら歌ってメロディを決めていく、それを仮録音してまた改良していく、といった近藤=座布団制作、Elli=作詞・作曲で仕上げ、といったスタイルで作っていった頃でした。ELLISでは採用されなかったElliの社会派、ロックな歌詞が貴重な一曲。こんな一面もあったのでした。

■星たちの言い訳
この曲は初期の「LUKA」後半に制作した楽曲で、「LUKA」から「ELLIS」への転換期に作られた楽曲です。夜が空が好きな近藤としては、今聞いてもとても好きな楽曲で、屋根の上でひとりぽっちでいる静かな風景がふんわりと癒されます。今では都会=東京では屋上に登れる建物も危険とかで減りましたが、昔はけっこう都会でも屋根に登れる場所がたくさんあったように思えます。

■海の扉
「ELLIS」の前身バンド「LUKA」の初期の頃は、しばらくはSFタッチの曲が多かったのでした。近藤がUKのテクノ系POPSやブルーアイドソウルといった流れに傾倒していた頃で、16ビート主体のフュージョンタッチのテクノといった感じの曲が近藤は大好きでした。サビのベースラインはベーシスト、アンソニー・ジャクソンから学ばせていただいたJazz4ビート由来のライン取りで、不思議なベースラインです。

■I’m Sorry
この曲も相当初期の作品で、まだ素朴でつたない世界観ですが、Elliの本音で語る恋愛感の歌詞がこの頃より芽生え、花開いていきます。

■GOOD DAY
1989年のカセットテープのデモテープづくりで作った曲のひとつ。シャッフル3連のリズムは近藤は昔から大好きで、それをUKポップス風に攻める明るく跳ねた曲が欲しくて作った楽曲。当時発売されたRoland社のD-50というシンセサイザーのブラス音色が大好きで、その音色で作ったフレーズをこの曲に早速入れたのでした。2025年には実機が無かったのでD-50のソフトシンセで再現しました。明るい歌詞と元気なシャッフルリズムとの組み合わせが、今も大好きな曲のひとつです。

■BLACK WAVE
1989年ころの楽曲で、元々はかなりロックなサウンドだったゆえ、あまりにヘヴィなので取り上げられなかった楽曲のひとつです。当時の近藤とElliは制作の方向性もコンセプトも開放=自由=なんでもアリ状態だったので、「いったいお前たちは何がやりたいんだ?」と言われるほど方向性の幅が広すぎたのでした。時間が経ってから見直して、エレクトリックなシーケンス中心のアレンジに寄ることで復活させた曲ですが、「LUKA」の中としても、「ELLIS」への経緯としても、トガっためずらしい楽曲です。

■シャトルの夜
インストルメンタル界でベース演奏者として活動していた近藤が歌のあるオリジナル楽曲制作にあこがれて、1980年代中頃に初めて作詞・作曲した歌の楽曲のひとつ。当初は当時発売されたKORG社のボコーダーDVP-1で、近藤自身が歌い録音・制作していたものを、「ELLIS」の前身バンド「LUKA」結成により、Elliの歌で録り直したのでした。そのため、男性の歌詞を女性が歌うという不思議な魅力になったのです。その後、Elliの歌を何度か録音しなおして、最終的には1990年代「ELLIS」時代に録音された声です。



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